ボツリヌス療法
当院では手足の痙縮や眼瞼けいれん、顔面けいれんに対するボツリヌス療法を行っております。
ボツリヌス療法とは、ボツリヌストキシンを有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。
一時的に筋肉の緊張をやわらげ、固くなってしまった関節を伸ばすことができるようになったり、小刻みにけいれんする筋肉に注射することで筋肉を麻痺させることができます。
この治療法は世界中広く行われており、日本でも疾患により医療保険を用いて行うことができます。
ボツリヌス療法の保険適応疾患
脳卒中・脊髄損傷などに由来する上肢下肢痙縮(けいしゅく)
神経の障害により筋肉が勝手に緊張しすぎたために、手足の関節が曲がったままの状態になり、また突っ張ってしまい動かしにくくなる状態です。
眼瞼けいれん・片側顔面けいれん
まぶたや顔面の筋肉がピクピクと小刻みに動いてしまう病気です。
飲み薬、手術による治療もありますが、ボツリヌス療法も保険適応があります。
ボツリヌス療法の流れ
①診察
手足の痙縮の場合は、痙縮の程度や日常生活動作で困っていること、治療の目標などを確認します。
眼瞼けいれんや顔面けいれんの場合にはけいれんの状態を確認し、必要によっては頭部写真検査を行います。
ボツリヌス療法を行うとなった場合、薬剤の準備などを進め、後日改めて注射のために来院いただきます。
②ボツリヌス療法の実施
痙縮の場合にはつっぱりのある筋肉、眼瞼けいれんや顔面けいれんの場合にはけいれんする筋肉にひとつひとつ薬を注射行っていきます。
1か所から十数か所注射を行いますが、どの程度注射を行うかは症状によります。
③経過観察と再注射
ボツリヌス療法1回の効果期間は3~4ヶ月程度とされています。
継続して注射を行う場合、そのぐらいの期間をあけて再施術します。
*症状緩和の程度や注射の間隔について個人差があります。